1.  >
  2.  >
  3. 革の用語辞典-1

コラムColumn

革の用語辞典-1

革の用語辞典-1

一般的な革の種類


当社製品や一般的によく使われている皮革素材についてまとめてみました。

1.牛革
食肉として最も広く利用されていることに比例してその副産物である革もまた多く生産され、衣料や雑貨、家具に至るまで古来より幅広い製品に使用されています。
耐久性が高く用途によって様々な加工を施すことが可能で、牛の成長にともなう年齢や性別、環境などによる多様な個性も特徴です。
成牛になるとサイズが大きくなり、部位を分けて鞣すことになります。欧州の場合はショルダー(肩)、ベンズ(背中から腰)、ベリー(腹まわり)に分けられ、日本やアジア諸国では半裁と呼ばれる背中を中心に縦割りした状態に分けられています。
それぞれの部位によって硬さやシワなど特性を持っており、バッグやベルト、革小物など用途に合わせて使用されています。

1-1. カーフ
生後6か月以内の子牛。牛革の中でも繊維組織が緻密で、吟面は傷が少なく滑らかな手触りです。その反面、厚みが取れないため大きな製品には向かず、高級革小物に使われています。

1-2. キップ
カーフの次の段階で生後6か月から2年のあいだの牛を指します。カーフに次いできめが細かくなおかつ厚みと大きさを併せ持つため、用途が広く高級鞄用素材としても使われます。ただし、「キップ」の定義は日本独自のもので革文化の長い歴史を持つ欧州諸国ではまとめて「カーフ」と呼ばれることが多いようです。

1-3. ステア
生後3-6か月以内に去勢した牡牛の2年以上経った成牛。繊維や吟面は粗くなりますが、サイズが大きく耐久性に富むためバッグやインテリア、カーシートなど強度が求められる製品に幅広く使われています。
カーフなどの小判のものに比べ大きめのシボ模様が立ち、ナチュラルな凹凸が現れてきます。


2.馬革
牛革に比べ繊の構造が粗く、薄くて耐久性に劣るものの、繊維から表皮までが柔らかく、触った時の滑らかさと体感的な温もりを持っています。また、その軽さから鞄や靴に使用されたり、小物の裏革に用いられたりします。

2-1. コードバン
馬革の中でも臀部だけは特殊です。「コードバン」と呼ばれ、表皮の裏側の層を磨き上げて滑らかな面を作り出し仕上げていくことから「革のダイヤモンド」と呼ばれています。繊維が緻密に絡み合い耐久性は非常に高く、空気も水も通さないほどに引き締まっています。
主に革小物やベルト、またランドセルなどに用いられ、使うほどに手にしっとりと馴染み鏡のように照った艶を帯びていきます。その圧巻の経年変化とは対照的に、水や傷にはデリケートですのでケアを行いながら使用することが推奨されます。


3.豚革
日本国内の飼育頭数が増え原皮の価格が安くなり、また鞣し技術の向上もあって需要と供給ともに高まっています。代表的な素材としてスウェード状に仕上げた「ピッグスキンスウェード」があり、靴やベルト、バッグ、財布など雑貨類で多く使用されています。
耐摩耗性に優れ、表面の毛穴が三角形状に3つずつ並んでいるのが特徴です。


4.ヤギ革
山羊をゴート、子山羊をキッドと呼びます。サイズは小さめで細かなシボ模様が繊細な印象を出し、レディス向けのアイテムで多く使われます。薄くてコシがあり、丈夫で型崩れしにくいところから高級靴、ハンドバッグ、ステーショナリーなどに使われています。


5.羊革
生後1年以上=シープ、生後1年未満=ラムスキンと呼び、ほとんど見かけませんが生後半年以内の幼獣をベイビーラムと呼んでいます。他の革に比べ丈夫さには劣りますが、非常に軽くて柔らかです。また毛穴が小さくきめが非常に細かいため肌に吸い付くような滑らかなタッチが特徴で、手袋や財布、ウェアなどに使われています。なかでもスペインで生産される「スペインラム」は古くからの歴史とノウハウをもち、極上なタッチ感で高級衣料などに使用されます。


6.鹿革
鹿革はセーム(子鹿)とエルク(大鹿)に分かれます。特徴はなんといっても突出した柔軟性としっとりとした肌触り。繊維が緻密でキメが細かく、細胞内に脂分を豊富に含み吸水性が良いので水に濡れても硬化しにくく、また通気性にも優れ蒸れにくいという特性を持っています。しかし野生のものが多いので傷が多く、綺麗な革を揃えにくいため高価な商品になります。


7.バッファロー
沼地や河川に生息する水牛の革。インドやパキスタンなどの原皮が多く、耐水性があり皮自体にある皺がゴツゴツとした野生的な表情を出すのが魅力です。伸縮性を併せ持ち、型崩れしにくい丈夫さを持っています。

Scroll